人間の健康の基礎は水!


医学的にオススメの水分補給の方法とは:臓器のほとんどが水分でできている

 


人間の健康の基礎は水!

 

 TV番組で取り上げられていた内容が素晴らしかったので、水ドクター・馬渕知子先生の解説による「医学的に正しい水分補給法」をまとめてみました。

 


臓器のほとんどが水分と言っても過言ではない

 

・各臓器に含まれる水分量は?
:75%が水
筋肉:75%が水
心臓:80%が水

「水がないと砂漠に木が生えない。人間の体も水がないと何も始まらない。」

・脳が脱水すると記憶力にも関係する
 脳の神経細胞の水分不足 ⇒ うまく働かなくなり記憶力・判断力の低下を招くことがある。
 脳の慢性的な水分不足 ⇒ 神経細胞に酸素・栄養が行かない ⇒ 認知症に近い症状がでることも……
・筋肉の水分不足 ⇒ つまずきの危険

 

 

 

医学的に正しい水の飲み方 Q&A【全15問】

① Q:人間が水を一滴も飲まずに生存できる期間は?

 

A:3日


・72時間の壁(人命救助の現場)=人間が飲まず食わずで生き延びられると言われる時間
 人間が水をとらずに生きるためいろいろな働きをするのは3日が限度と言われている。3日をすぎると、、、人間が生きるためにいろんな物(≒毒素)もでてくる。いらない物(≒毒素)を排泄するのに尿や汗が必要。水分不足 ⇒ 老廃物を排出できない。尿毒症が起こり死に至ることも。。。何かが起こった時に水分は人命確保に非常に重要。水を飲めることはとても大切。
・慢性的な水分不足で体に起こる症状は?
(血液ドロドロ)【水分不足による意外な体の不調】記憶力低下・肌のシワ・肥満・便秘・つまずき
・水分不足で心筋梗塞が起こる理由は?
 血液の90%(近く)は水分。10%は赤血球などの個体。水分が足りなくなると個体成分が固まりやすくなる。血栓が詰まると心筋梗塞・脳梗塞を発症する。
 夏は汗で水分が失われやすいので血液が濃くなりやすい=夏血栓 ⇒ 夏の方が血栓による心筋梗塞・脳梗塞が多くなる。
・大谷義夫の解説:夏血栓による肺塞栓症の症例&写真。夏血栓の予防にはとにかく脱水にならないこと。水分補給が一番重要。
▼慢性的な水分不足で血栓ができやすい ⇒ 心筋梗塞などの血管の病気のリスクが増大

 


② Q:体重50kgの人が1日に必要な水分量は? 

 

A:1.5ℓ (※あくまでも食事は除いて水分だけという観点から考えた量)

 


自分の体重×30ml=1日に最低限必要な水分量

・体重100kgの人の1日に必要な水分量 ⇒ 約100kg×30ml=3000ml(3ℓ)
・体重50kgの人の場合30ml= 50kg×30ml=1500ml(1.5ℓ)
※食事からしっかり水分をとることも大事

・水を飲む量を急激に増やす ⇒ 胃腸に負担が大きい
・血液中には塩分とミネラルがあるが、水を飲みすぎると塩分が薄まる。⇒ 低ナトリウム血症 ⇒ 水中毒

 

 

水のとりすぎで起こる水中毒

 

・軽い症状:頭痛、疲労

・重い症状:吐き気、痙攣、呼吸困難
・2007年アメリカで7.5ℓ飲んだ女性が死亡。
・体重や気温により異なるが1日3~4ℓまでが目安。

 


③ Q:朝起きた時、医学的に正しい水分摂取量は?

 

A:200ml


・睡眠中も汗をかいていて、平均500mlくらいの水分が失われる。なので朝は起きたら水分補給が必要。ただしコップ一杯(200ml)飲む程度が適量といわれている。睡眠中に平均500mlくらい脱水しているので、朝起きたら同量のを500mlを一気に飲んだ方がいいような感じにもなるが、、、個人差もあるが、一気に飲むのは胃腸の負担になる。さらに医学的には一度に人間が吸収できる水分は200ml程度とも言われているので、コップ一杯(200ml)程度の水を1~2時間おきくらいに、こまめに飲むのが大切です。

 


④ Q:朝コップ1杯の水 正しい飲み方は?

 

A:ゆっくり飲む


 一気に飲むよりもゆっくり飲むことが大切です。口から胃まで約50cm程ですが、10~20秒で胃に入っていきます。一気に飲むと胃の負担になります。ポイントは、噛むようにして飲むのが大事になります。本当に水を噛むことはできないですが、そのような意識でゆっくり飲むということになります。

 


⑤ Q:体内から水分が失われる原因は?

 

A:汗・尿や便・呼吸


・1日で失われる水分量は約2.6ℓ
・吐く息だけで失われる水分量は約400ml。人間は1日に約2万回呼吸をしている。呼吸2万回で約400mlの水分を失う。だからこそ家で過ごしていても水分補給が大切になります。

 


体内の60%は水分でできている


・筋肉が脱水すると痙攣(けいれん)・つるという症状が起こる。筋肉の収縮には充分な水分が必要。水分不足だと収縮がうまくいかず痙攣を起こす。こむら返りや夜中に足がつるのも水分不足が原因なこともあります。

 

 

慢性的な水分不足で筋力低下に


・慢性的に水分が足りなくなると筋力低下にも繋がる。つまずき・転倒などの原因にもなり、最悪のケースでは骨折や寝たきりに繋がってしまいます。

 


自分の体調に合わせて水を選ぶ

 

⑥ Q:ミネラルウォーターの軟水と硬水の違いは?

 

A:軟水と硬水の違いはミネラル含有量の違い

 

 厳密に言うと、カルシウムマグネシウムの含有量の差になります。

軟水
・軟水はカルシウム・マグネシウムが少ない。
・国産のミネラルウォーターに多い。
・日本の水道水に多い。

硬水
・海外のミネラルウォーターに多い。

 


日本に軟水が多い理由

 

 1つは地層の違いから日本にはミネラルを多く含む石灰岩が少ないことと、もう1つは日本の地形は傾斜が急で地層での滞留時間が短いので軟水になります。逆に海外(主にヨーロッパなど)ではミネラルを多く含む石灰岩が多く、傾斜が緩やかで地層での滞留時間が長いので硬水になります。

 


実は体調に合わせて軟水・硬水の飲み分けをした方が良い

 

⑦ Q:夏太り対策により良い水はどっち? 硬水 or 軟水

 

A:硬水

 

 ダイエットの鍵は硬水に豊富に含まれるカルシウム・マグネシウムになります。


●カルシウム:胆汁の働きを弱め、腸内での脂肪の吸収を抑える。
●マグネシウム:腸を刺激して便通を良くする。
●硬水は食前&食事中がベスト
 カルシウム・マグネシウムが腸を刺激 ⇒ 食事の消化吸収&便通が良くなる

 


水と長寿の関係

 

① 三重県 奥伊勢香肌峡の鍾乳洞の硬水
 長い年月をかけて洞窟内にミネラル豊富な水がしみわたっています。水の硬度は季節によっても違うようですが、基準値120の2倍以上の270でした。1~2月だと硬度約330になるとのこと。厚生労働省の平成24年度の調査では、三重県は肥満が最も少ない県であることが判明。その結果と硬水との関連はまだ不明ですが、もしかしたら関連しているかもしれません。

② 長寿の島・鹿児島県 伊仙町
 100歳以上の長寿の割合が全国平均の約6倍になります。伊仙町の水道水はミネラルが豊富に含まれています。水が長寿の要因のひとつにもなっていると指摘されています。伊仙町のご長寿の共通点はズバ抜けて骨密度が高いのだそうです。86歳女性が50歳、78歳女性が40歳、91歳男性が25歳くらいの骨密度という具合です。硬水に豊富なカルシウムが骨を丈夫にし、骨折しにくく健康長寿が多いと推測できます。

 人間は生きるためにいろんなところでカルシウムを使います。なので常に足らなくならないように調整されています。カルシウム不足があるとカルシウムが骨から溶け出すことで補います。時には血液中のカルシウムが増えることがあります。余分なカルシウムが石灰化することで血管の動脈硬化や心筋梗塞のリスクを増大させてしまいます。


⑧ Q:熱中症対策により良い水は? 硬水 or 軟水

 

A:軟水

 

 硬水はミネラルが多い反面、水の吸収を妨げる場合もあります。硬水のマグネシウムは水と結合すると吸収を抑制してしまいます。水を吸収させたい時は軟水を飲んだ方が良いのです。

 

 軟水は腸に吸収されやすく熱中症対策の水分補給に最適です。硬水は豊富なミネラルが脂肪の吸収&蓄積を抑えます。

 


水道水とミネラルウォーターの違いは?

 

 大きな違いは塩素使用の有無にあります。水道水は殺菌や除菌のために塩素などを使います。一方、ミネラルウォーターは濾過・沈殿・加熱殺菌などを行い、安全性を保っているものがほとんどです。
 ミネラルウォーターはミネラルの含有量が多いのが特徴ですが、日本の水道水は安価でどこでも飲めて安全です。上手にミネラルウォーターと水道水を使い分けることが大切です。

 


⑨ Q:炭酸水のメリットは?

 

A:胃腸の消化吸収を良くする

 

 

炭酸水のメリット

 

①胃腸を刺激し、活発にして吸収を良くする。
②二酸化炭素が胃の血液の流れをUPします。


 ポイントは炭酸水に含まれる二酸化炭素になります。炭酸水は胃腸に刺激を与え、胃腸の働きを活発にします。ただし胃の調子が悪い人は強炭酸は控えた方がいいです。

 


⑩ Q:夏場の水分補給により良いのはどっち? 白湯 or 冷水

 

A:冷水

 

 夏場の熱中症対策には冷水が理想なのだそうです。よく言われる白湯ではなくて意外にも冷水なのですね。夏場の水分補給は5~15℃が理想です。だいたい冷蔵庫で一晩冷やした温度になります。
 水ドクター・馬渕先生によれば、白湯も良いけども温かい水と比べて冷たい水は胃腸への刺激があります。冷水は胃腸への刺激が強いので胃腸が活発に動き吸収率UPにつがなります。

 


水の温度に関する研究データ

 

・横浜国立大学・田中秀登教授などの研究:水温10℃の水分補給が脱水症状を起こしにくくする。
 夏場を想定した運動時に異なる水温(2℃、10℃、22℃)の水を摂取しながら比較した実験です。その中で水温10℃での水分補給が最も体内への吸収が良く、脱水症状を起こしにくいことが判明。
 夏場の水分補給は冷水が理想的です。胃腸が活発に動き吸収率がUPします。あくまでも「夏の暑い時には」です。秋や冬など気温が低い時は体が冷え過ぎないように白湯が理想的になります。

 


⑪ Q:水分補給により良いのは? 緑茶 or 水

 

A:水


 緑茶にはカフェインが含まれており、カフェインには利尿作用があります。その点から水分補給に不向きになります。

 


⑫ Q:水分補給により良いのは? ほうじ茶 or 紅茶

 

A:ほうじ茶


 カフェインが少ないものが良いのですが、ほうじ茶や麦茶は水分補給に適しています。コーヒーや紅茶にもカフェインが含まれているものもあり、水分補給に適さないものもあります。
 お酒は一時的な水分補給になるが、時間が経つと出ていくので逆効果です。アルコールを分解するのに体内の水分が必要になります。大量に水分を使った上で分解された要らないものが尿としてどんどん出ていくので脱水します。ビールは利尿効果が高くて「1」飲んだら「1.1」出ていきます。なのでビールを飲む時は水分補給も同時にした方が良いのです。

 


⑬ Q:歳をとると体の水分量が少なくなる1つの原因は「?」の減少

 

A:筋肉量


 筋肉は約75%が水分 ⇒ 筋肉が減ると全身の水分も減少。水分を溜める部分も必要なので適度な筋肉も必要。
 馬渕先生の見解:歳をとるから体の水分が減るのではなく水分が減ることでいろんな機能が低下して歳をとるのではないか。健康長寿のためには肉や魚のタンパク質もしっかり摂り筋肉量を維持することも大事になります。

 


体内の水分量

 

 年齢によって体内の水分量は変化する。大まかに、赤ちゃんは80%近く、子ども70%、成人60%、高齢者50%の水分量だと言われています。水分量の多い赤ちゃんや子どもは脱水しにくいかと言うとそうではなく、子どもは体が小さくて汗をかきやすいので適切な水分補給をしないと脱水症状を引き起こしてしまいます。

 

 

汗腺について

 

 子どもも大人も汗腺の数は変わらないのですが、きちんと働いて機能している汗腺の数が人によって違うのです。人間は汗をかくことによって体温調節をしているのですが、クーラーの環境にずっといるなど適度に汗をかくことをしていないと汗腺が働かなくなり汗をかきにくくなります。猛暑の夏にクーラーは使うべきですが、体調が良い時や涼しくなる秋頃からはお風呂に入ったり、サウナに行ったり、適度に運動するなどしてうまく汗をかく機会を増やすといいですね。

 


涼しい室内でも「隠れ脱水」に要注意!

 

 人間は呼吸するだけでも脱水しますが、室内で掃除や家事をすることでドンドン脱水していきます。室内でもこまめな水分補給が必要なのですね。

 


隠れ脱水の見分け方:尿の色が濃い時は要注意

 

 水分が不足すると血液中の赤血球やビタミンの色素が濃縮されて尿の色が濃くなります。クーラーの効いた涼しい部屋でも「隠れ脱水」の危険があるので尿の色が濃くなったら水分補給を一層心がけましょう。

 


⑭ Q:血管に負担をかけない水分補給のタイミングは? 入浴前 or 入浴後

 

A:入浴前


 入浴中に汗をかくので、入浴中の水分不足を避けるには入浴前にしっかり補給します。入浴中に汗をかくと血液が濃縮してしまい詰まりやすくなるので入浴前の水分補給が大切になります。もちろん入浴後の水分補給も大事です。
 血液中の水分が失われると血液がドロドロになって濃くなるだけでなくて血管にも負担がかかっていろんな症状に結びつくことになります。

 


血管に負担をかけない入浴法:炭酸風呂

 

 炭酸に含まれる二酸化炭素は皮膚を通して体内に吸収されると血管を拡張します。その結果、血流を促進して非常に温まりやすくなるのでオススメです。
 入浴剤を買って使用するのが一般的ですが、家にあるものでも簡単に作ることができます。

 


簡単!炭酸風呂の作り方 ※ご使用に関しては浴槽・給湯器メーカーにご確認ください

 

重層(大さじ3)+クエン酸(大さじ2)+塩(大さじ1)

 


⑮ Q:就寝前の水分補給。医学的に正しいのは? 就寝直前 or 就寝30分前

 

A:就寝30分前

 

 水を飲んですぐには体が吸収しきれないので少し余裕をもって水分をとった後、全身に水分を行き渡らせて寝ることが大切です。寝ている間は腎臓の働きも弱まるので水分を尿にする働きも弱まります。なので安心して水分をとってから寝た方が良いのです。
 就寝30分前にコップ1~2杯を飲んで寝るのが良いですが、暑くて汗をかきそうだったり、元々汗をかきやすい人は少し多めに飲むのが良いでしょう。